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相続事例

相続で得した事例『お父さんのおかげでみんな納得の相続』


大阪府の田中京子さん(仮名)49歳女性からのご相談です。

ご相談はこのように始まりました。


父は80歳で、今ガンで入院中なので、家の財産について姉妹で、
相続をどうするか話し合っています。

姉たちも私もなるべく不公平なく分けたいと思っています。

でも、長女は子供の教育費で300万円ほど既にもらっていますし、
次女は父の死亡保険金が500万円入る予定です。

私は何もしてもらっていないので、このままだとちょっと。

自宅は誰もいらないので売りに出そうとしてます。

不動産屋さんからどうやら売れそうだと聞いてます。

ここがポイントでした。


ご相談を受けて、後日お父さんへ会いに伺うと、公平に分配したいというのは、お父さんも同じ想いでした。

ただ、このままだと法定相続分の通りの分配になりますし、遺産分割で話し合いができると言っても、お父さんの意思が形として残らないため、協議する段になって揉めるかもしれないとご説明しました。

すると、お父さんから、誰にいくらどのように分配するかを明確にしておきたいと申し出がありましたので、金銭的に不公平のないように、また、今までの感謝や子供に対する想いを記した遺言書を作成しました

お父さんはその当時はまだお元気でしたので、自筆遺言も可能でした。

ですが、自筆証書では相続手続きが大変面倒ですので、公正証書遺言として残しました。

それから1年後、お父さんは逝去されました。

遺言執行者も指定されていましたので、その方とご姉妹で相続手続きを行い、何の問題も無く、皆さん納得して、お父さんの遺産相続を終わられました。

今回は、お父さんが、お子さんの不安な気持ちを汲み取ってきちんと公的な書面を形に残したことがよかったですね。

遺言書の最期には、お父さんから子供たちへのメッセージがあり、お葬式で読まれた時には、ご親族皆様が「良かったね」と涙を流されていました。



相続で損した事例『遺産は現預金300万円だけでも大喧嘩になってしまった』


大阪府の佐藤花子さん(仮名)55歳女性からのご相談です。

ご相談はこのように始まりました。


母が心疾患で亡くなり、しばらくして四十九日の法要が終わった時、
姉弟で相続について話し合いを行いました。

両親はずっと借家住まいでしたし、
母が残した財産は現金預金300万円だけで、
他はこれといって特に相続財産と呼べるようなものはありませんでした。

ですので、その現金預金300万円を均等に分けて、
それで相続が終わりと簡単に考えていました。

ここがポイントでした。


相続の話し合いの際、お姉さんから「私は、母と同居して最期まで面倒みたわ。母の生活費も少しは出したのだから、全部私がもらうわよ!」と言われました。

花子さんと弟さんはそれに反発。

というのも、お母様の年金で生活費を負担してもらっていたのは、むしろお姉さんの方だったからです。

花子さんと弟さんは「均等に分けないとおかしい!」と主張しましたが、お姉さんは逆上して「看病したのは私、親不孝のあなたたちは何もしていないのだから一銭も渡さない!」とさらに強硬になりました。

最期の看病が大変だったのは、花子さんたちも分かっていましたので、当初は、いくらか多めに姉が受け取っても良いと思っていました。

しかし、話し合いの席で、お姉さんから罵倒されたこともあり、花子さんと弟さんにはその気持ちが全くなくなってしまったそうです。

最初の話し合いからもう10ヶ月近く経ってご相談に来られましたが、その後も話し合いは進んでいません。

預金口座は銀行が凍結してしまいましたので、話し合いが終わるまで預金の引き出しはできません。

その件でお姉さんは銀行と激しくやりあったようです。

お母さんが生きている間は、仲良く姉弟関係が続いていたし、多額の財産もないので、相続で揉めるわけはないと花子さんは考えていました。

実は、裁判所で相続争いをしている人の約3割は、相続財産が1,000万円以下の人たちなのです。

お母さんの遺言書があれば回避できた可能性もあったので残念です。